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業界の変革と地球規模のプロダクト -patagonia(パタゴニア)-

2016/11/26 21:05

アメリカの習慣、ブラックフライデーに合わせ、各社が様々なイベントを行う中、アウトドアブランド「patagonia」(パタゴニア)では少し変わった取り組みを行った。

パタゴニアは、11月25日(ブラックフライデー)の売り上げの全額を、草の根環境保護団体に寄付する「100%フォー・ザ・プラネット」を実施。1985年以来、自然環境保護活動の一環として、売り上げの1%を非営利環境団体に寄付する「1%フォー・ザ・プラネット」のメンバーとして活動を行っている。

環境に配慮したものづくりで知られるパタゴニアは業界の既存のシステムを打ち破り、素材を活かし続ける方法を再考する、様々な決断を行ってきている。

100%オーガニックコットンへの移行

(出典 http://www.patagonia.jp/patagonia.go?assetid=6719)

いくつかの企業は自社製品のオーガニックコットン使用量を増やしているが、その筆頭がパタゴニアだ。彼らがその取組みを始めたのは、1991年。そして1996年にオーガニックコットンへ100%切り替えを行った。

1990年代初期 にコットンのサプライチェーンについてより詳しく考察しはじめたとき、米国の農薬使用量の10%が、農地全体の1%にすぎないコットン栽培に使われていると彼らは知った。当時、認証済みオーガニックコットンは、世界でほとんど栽培されておらず、オーガニック農業は多大な労働力を要し、経済的リスクが伴う決断だった。しかし 一般的な栽培法のコットンには決して戻らない覚悟で、オーガニックコットンへ切り替え、品質に影響がなく、素材感を向上させた。この大胆な取組みが数々のアパレルブランドに影響を与えたことは有名だ。

追跡と持続可能な木材パルプ繊維

(出典 http://www.patagonia.jp/patagonia.go?assetid=38376)

2003年、レンチング製テンセル・リヨセルを導入した。ユーカリは森林管理協議会(FSC)の認証済みの持続可能な樹林農場で育てられるためナイロンやポリエステルのように石油を原料としていない。だが、植物由来の化学繊維だからといって、環境負荷の高い木材を使用していたり、化学薬品を適切に処理していない工場で作られたものも、エシカルとは言いにくいだろう。パタゴニアではテンセル・リヨセルを使うことで、追跡・持続可能な木材パルプの調達とプロセスにおける無害の化学薬品・溶剤の使用を明らかにし、エシカルを徹底している。

テンセルとは?テンセルは木々のパルプを原料にするリヨセル繊維のブランド名。「リヨセル」はオーストリアのレンチング社、「テンセル」は英国のコートルズ社の商標として使用されていたが、2004年に両社は合併し、ブランド名を「テンセル」。総称として「リヨセル」というようになった。

最高レベルの動物福祉

(出典 http://www.patagonia.jp/traceable-down)

2014年秋より、パタゴニアのダウン製品にはトレーサブル(追跡可能な)・ダウンを100%使用している。これはパタゴニアのダウン製品に使われるすべてのダウンは、強制給餌も生きたまま羽毛採取もなされていない鳥から供給されたことを保証することだ。トレーサブル・ダウン基準はアパレル業界に最高レベルの動物福祉をもたらし、パタゴニアは2007年から取り組み、それを達成した唯一のブランドである。トレーサブル・ダウンには追跡不可能なダウンは一切混入されていない。

100%リサイクル「recollection」

(出典 http://www.patagonia.jp/re-collection)

1993年にリサイクルされたペットボトルから最初のフリースを製造して以来、より多くのリサイクル素材を採用してきた。今シーズンの「recollection」はその成果だ。製品に使用している素材一つ一つが、100%リサイクルされた素材から作られている。「リサイクル・ダウン」「リサイクル・ポリエステル」「リサイクル・ウール」など、いずれも開発チームが要求する高品質テスト基準を満たす。そして、ボタンやジッパーなどにまで再利用可能な素材の境界を広げた製品。これまでパタゴニアが製造してきたなかで最も多くのリサイクル素材を含み、画期的なアップサイクルを実現した。

フェアトレード、トレーサビリティ、エシカルなど。上記の取組み以外にも多くの活動を行っている。業界の先駆者と言えるパタゴニア。品質や機能性の妥協を許さず、「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」というミッションを掲げ、既存のシステムを打ち破り、循環型のモデルの規模拡大し続けている。
Yumi Takahashi