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”服が売れない”昨今、若年層にオーダーメイドスーツが選ばれている理由とは?-後編-

2016/12/17 08:46

前編では、主に

・スーツ業界の現状
・オーダースーツとは何か


についてご紹介した。

※前編はこちら

後編では、本題に迫ると共に、消費者の志向・ライフスタイルの変化に触れてお話しする。

 

消費者の志向の変化


若年層がオーダーメイドを選ぶようになったきっかけは何であるのか。

それは、彼らのライフスタイルに大きく関係している。

では、どのように変化したのか、一つずつ紐解いていこう。



1.健康志向の高まり

(出典:https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_160901d.pdfより)
 

現在の食の志向における三大志向(「健康」「経済性」「簡便化」)の推移 をみてみると、「健康志向」は、平成 22 年度頃から上昇し、その後、継続して高い割 合で推移しており、健康第一の志向であることが分かります。
(日本政策金融公庫 平成28年7月調査結果より)



若年層の健康志向が年々高まっているようだ。

上の画像は年代別の食の志向についてのグラフだが、ご覧頂くと分かるように、20代の健康志向はもはや40代と並ぶほどである。

このように健康に気を使うことが、必然的に体型維持に繋がっていると思われる。



2.経済志向、簡便化志向の低下

(出典:https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_160901d.pdfより)


反して低下しているのは経済志向、簡便化志向だ。

日々の食事も、外食やコンビニ弁当等で済ますよりも、自炊をする人が多くなってきた。

これは、必要最低限の出費に抑える事はもちろん、健康に気を使うことにも繋がる。



3.DIYの大衆化




最近では、家具を自分で作る等、"DIY"がライフスタイルの一部となっている人が多い。

自分の希望のものを、自分で作る。

既存のものから選択するよりも、もっとこだわりを持つようになり、自身のライフスタイルをデザインしているのだ。


ここまでをまとめると以下のようになる。

・健康志向になり、体型維持に繋がった
・出費を抑えるようになった
・こだわりが強くなった



このように、自身の健康面、金銭面等の自己管理を行う事が若年層の間で当たり前になりつつあるし、遊びや娯楽にお金を使ったり、新しいものに消費を重ねて行くよりも、あるものを活かす、良いものを長く使いたいといった考えにシフトされつつある。

コスパとはよく言われているが、”ハイクオリティーなコスパ重視”になったのだ。

 

そこで、"紳士服御三家"は...


前編で紹介した、"紳士服御三家"と呼ばれる、青山商事、AOKIホールディングス、コナカがスーツ専業からの脱却を図り、飲食店やカラオケボックス運営等の事業の多角化を進めた事で"脱スーツ"と言われ、スーツ事業から完全脱却したかと思われたが実はそうではなかった。

今、消費者に何が求められているかを汲み取り、オーダースーツ事業も展開していたのだ。


青山商事

(出典:http://blog.uktsc.com/harukas/113045より)


2016年2月、"ユニバーサルランゲージメジャーズ"をオープン。
最低価格は3万9000円。

初回注文時にお客様の顔写真とサイズを登録してアバターを作る事で無制限に試着をする事が出来、フィット感まで見る事が出来る。


AOKIホールディングス

(出典:http://www.insideout-ltd.jp/THE-TAILOR-SHOP-AOKI-Ginzaより)


2016年10月、"ザ テイラーショップ アオキ"をオープン。
最低価格は4万9000円。

タブレット端末で生地や型、ディテールを選び、具体的な仕上がりのイメージを見る事が出来る。


コナカ

(出典:http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1610/03/news126.htmlより)


2016年10月、"ディファレンス"をオープン。
最低価格は3万5000円。

2着目以降は注文から受け取りまでの工程をスマートフォンアプリで済ませる事が出来る。



元々既製スーツに力を入れていた紳士服御三家が、ニーズをしっかりと汲み取り新しくオーダーメイドという業態を打ち出した事は、さすが御三家である。


 

まとめ


今回、消費者の生活の背景を紐解くことで、消費者のニーズが大幅に変化した事により、

結果、安価で気軽に買えるファストファッションや既製スーツよりも、高価だが自分の体型にあっているオーダー品を買おうとする事については、以上でご理解頂けただろうか。

ものを長く使おうといった意識が定着し、こだわって選ぶようになったという事は、”良いもの”を知っているし、見る目も厳しい若年層が増えたという事である。

また、個々が自身の個性を大事にしようとしている傾向にあると見受けられる。

大局的に捉えるようだが、このままファッションの多様化が進み、次々と新しいファッションを世界に発信出来る日本になって欲しいと、筆者は願う。