ラコステがシンボルであるワニのロゴを変えた?創業者ルネ・ラコステから引き継がれた思いとは。

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Lacoste (ラコステ)といえば、誰もが思い浮かべるのが愛嬌あるクロコダイルのロゴだろう。

ところが先日ラコステは、85年ほどにもわたり貫いてきたクロコダイルのロゴを期間限定で変更すると発表。

その裏には一体どんな意図があるのだろうか。
 

ワニに代わり10種類の動物があしらわれたポロシャツ


今回ラコステのポロシャツラインにおいて期間限定でお馴染みクロコダイルのロゴに代わるのは、10種類の動物のデザインだ。

このクロコダイルのロゴに代わる動物があしらわれたポロシャツラインの名はその名も「Save Our Species(セーブ・アワー・スぺシーズ)」。

10種類の動物はいずれも絶滅が危惧される動物となっており、その啓発のためのキャンペーンの一環として、同社は85年もの歴史において初めてクロコダイルのロゴを変更することとしたようだ。

このキャンペーンはラコステが3年にわたりパートナーシップを結ぶ自然保護団体、国際自然保護連合の協力の下で行われ、同ラインの売り上げは一部が国際自然保護連合に寄付されるという。
 

生存数を生産数に反映させるユニークな試み


一方、本キャンペーンにおいてユニークなのは、1775着生産されたというセーブ・アワー・スぺシーズラインのポロシャツの総数だ。

一見すると中途半端に思えるこの数であるが、同ラインではポロシャツの枚数を10種の動物が現存する数に応じて生産。
 
例えば、10種の絶滅危惧種の中で450頭と最も生存数が多い『アネガダグラウンドイグアナ』をあしらったポロシャツは450枚、30頭しか生存しない『コガシラネズミイルカ』をあしらったポロシャツは30枚、といった具合にだ。

尚、ラコステのポロシャツにあしらわれたその他の絶滅危惧種としては『スマトラタイガー』、『ジャワサイ』、『カカポ』、『ビルマオオセタカガメ』、『カリフォルニアコンドル』、『Cao Vit Gibbon(テナガザルの一種)』、『サオ』、『Northern Sportive Lemur(小型のサルの一種)』となっている。
 

“ラコステの顔”を変えてしまった同社の考えとは

 
しかし本キャンペーンにより一時的に変更されてしまったといえど、René Lacoste(ルネ・ラコステ)により1933年に立ち上げられた“ラコステの顔”といえば、やはりロゴのクロコダイルだろう。

 

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世界ナンバーワンテニスプレーヤーとして名を馳せたルネ・ラコステは1921年、17歳にしてトーナメントでの優勝を果たし、すぐに名テニスプレーヤーとしての頭角を現す。

しかしまだ新人の域を出なかった彼が勝つか否か、ある人がワニ革のスーツを賭けたといい、その噂を耳にした記者がルネ・ラコステに“ワニ”とあだ名。

それが本人の気に入り、後に立ち上げたブランドのロゴにまでなってしまったのだから、ラコステとワニとの関係は切っても切れないものだと言える。
 
しかし、そんなゆかりあるロゴを初めて変更することとなったラコステはホームページにおいて「今日においても、ラコステのロゴはブランドを行動付ける意思と責任をいまだに象徴するものである」と明言。

ロゴのクロコダイルを変更するということは、ラコステの絶滅危惧種保護に対する思い入れを象徴するものであることが伺える。
 
一方、ルネ・ラコステには、あまり知られていない慈善家としての一面もあった。

彼と彼の妻でゴルフプレイヤーであったSimone(シモーヌ)は、第二次大戦勃発からほどなくして、自宅からほど近いバスク地方のサン・ジャン・ド・リュズにゴルフコースを建設。

ドイツ支配下の中、林業労働者が労働キャンプへ送られるのを防ぐと同時に、5万本の木々の植樹にも成功したという。そんな慈善家としての顔を持つルネ・ラコステの思いは、絶滅危惧種保護に向けた取り組みを行う現ラコステのブランド精神に息づいていると言えるのではないだろうか。
 

これだけに留まらないラコステの絶滅危惧種保護に向けた取り組みとは

 
ラコステの絶滅危惧種保護に向けた取り組みはこれだけにはとどまらない。

パリ・コレクションにおいて発表された同社の2018年秋冬コレクションでは、セーブ・アワー・スぺシーズラインのポロシャツと同様、10種の絶滅危惧種が大胆にあしらわれたデザインが披露。

ラコステの取り組みを印象付けるものとなった。
 
これについて同社のクリエイティブ・ディレクターFelipe Oliveira Baptista(フェリペ・オリヴェイラ・バティスタ)は、「このコンセプトは実際には2019年のものとして準備されていた。しかしこの問題は非常に重要で、緊急を要している。そのため今年行うよう方針を変えた」とパリ・コレクションの終了後にバックステージで述べている。
 
「たとえ小さなスケールであったとしても自分に何かできることがあり、ブランドが何かに光を当て、環境や持続可能性について皆に考えさせることが出来れば…。ファッションは常にメッセージの伝達手段として機能してきた。このデジタル時代においては、その力はより強まっている」と語るフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ。

彼はルネ・ラコステの慈善活動に影響を受けたことも明かしており、ルネ・ラコステの意思はフェリペ・オリヴェイラ・バティスタに引き継がれているのかもしれない。
 

The prints dedicated to 10 threatened species @felipeoliveirabaptista #LacosteFW18

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ラコステの取り組みは活動家も称賛


米国の魚類野生生物局によって作成されたリストによると、現在世界において絶滅の危機に瀕する種は1459種にも上る。これを受け野生生物の保護に努める団体や個人らは、企業にも何等かの取り組みを行うよう要請してきた。
 
そんな活動家の一人Jeff Corwin(ジェフ・コルヴィン)さんは、ラコステの取り組みを素晴らしいと評価。

さらに「この活動がまだ始まりにすぎず、他の企業も影響を受けてラコステに続くよう期待している」と言う。
 

環境保護に向けた取り組みはファッション業界に潮流生み出す

 
一方、絶滅危惧種や環境保護に向けた活動を行う企業はラコステだけではない。

日本でも石鹸をはじめとするバス用品で知られるLUSHは先月、日本自然保護協会の協力のもと、豊かな自然が残る群馬県水上町の生物多様性を守るためのキャンペーンを開始。

同地にかつて生息していながら現在では絶滅が危惧されているイヌワシをはじめとする生物保護に向けた取り組みを行っている。
 
さらに広義での環境保護に向けた取り組みは今やファッション業界全体に大きな潮流を生み出している。

欧米諸国や近年では日本においても環境への配慮やフェアトレードを実践するエシカル・ファッションには注目が集まっている。

さらにこれを実践するファッションブランドはH&M(エイチ・アンド・エム)はじめとするファストファッション系ブランドから、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)はじめとするハイブランドまで、幅広い層のファッションブランドに拡大されてきているのが現状だ。
 
その中でも、“ラコステの顔”ともいえるクロコダイルのロゴを変えることで絶滅危惧種保護を訴えるという今回のラコステによるキャンペーンは、エシカル・ファッションが叫ばれる中においてもユニークな試みであったといえるだろう。

ルネ・ラコステの慈善家精神を受け継いだ同社であるだけに、今後もラコステならではの独創的な取り組みを行ってくれるのが楽しみだ。
 
ちなみにセーブ・アワー・スぺシーズラインのポロシャツは、オンラインショップでは既に完売しており、入手できない。しかしラコステのオンラインショップでは絶滅危惧種を保護するための寄付はまだ募っているので、関心のある方は寄付してみてもよいのではないだろうか。







 


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