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そもそもクリエイションとは学校で学ぶものなのか。

2016/12/24 05:00


昨今、日本では服飾学校に通う学生が年々減少している。

しかし、クリエイティビティが低下したかと問われたら、そうではない。

服飾学校を出た後、企業へ就職する人、海外へもっと専門的に勉強しに行く人、自身のブランドを持つ人ーーー。

形は様々だが、学校を出た後もアパレルを極めようとする人がたくさんいる。

一方、服飾専門学校を卒業していなくとも、販売員からデザイナーへ転向させる企業もあり、第三者から見ると、服飾専門学校に通う意味は何であるのか疑問に思うだろう。

今回は、服飾学校で学べる事や企業に入ってから学べる事、専門学校に通う意味までの話を、今のアパレル企業の生産背景を説明しつつ、お話ししよう。

また、本記事においてはデザイナーとパタンナーに限定して話を進めていく。

 

アパレル企業の企画・生産の仕方




まず、店頭で売られている服は、一体どのようにして企画・生産されているのか?
いくつか方法がある為、簡単に紹介しよう。

SPA
企画から製造、小売までを一貫して行う事を指す。

OEM
製造を発注した相手先のブランドで販売される製品を製造する事。製造を請け負う企業を「OEMメーカー」という。

ODM
他企業のブランドで販売される製品について、企画から生産までを一貫して受託する事、またはその受託メーカーを指す。

このように、企画・生産といっても様々な企画・生産の仕方があるのだが、会社によって、またはブランドによって方法は違ってくる。

 

各業態において、デザイナー・パタンナーのあり方とは?


出典:http://kireca.com/pattern-maker-for-clothing/


SPAの場合

すべて一から企画・生産する為、通常であれば、デザイナーがパタンナーにどのような物を作りたいかを詳しく伝える必要がある。

その為、デザイナーはマテリアルに関してもパターンに関しても詳しい知識が必要であるし、パタンナーはデザイナーの描いた絵型や仕様書を忠実に再現出来るスキルが必要である為、高いレベルの専門性が求められる。

専門学校で学んだスキルが最大限に活かされるだろうし、逆に、専門学校を出ていなければこの業態で働く事は難しいだろう。


OEM・ODMメーカーと一緒に企画・生産する場合

デザイナーはメーカー先にイメージを伝える為に、大体のラフ画か、もしくは雑誌の切り抜きを用いて商談をする事も多い。

マテリアルや仕様等の専門的な知識も、メーカー先のデザイナーやパタンナーと話し合える為、デザイナーが悩む必要があまりなく、確実に分業が出来る為、効率的に型数を増やしていく事が出来る。

販売員からデザイナーになれる企業は、このような業態が多い。

 

専門学校卒でなくても、企業デザイナー・パタンナーになれるのか




上記で説明した通り、SPA業態で新卒のデザイナー・パタンナーを募集している企業は、もちろん専門学校卒業見込みの者への募集をしているところがほとんどである為、最終学歴が高校卒業や大学卒業である場合は就職は難しい。

専門学校を卒業していなくてもクリエイティブ職に就きたい方は、下記で紹介する主な方法を参考にして頂きたい。


デザイナーの場合

・販売員として働きながら仕様やマテリアル、マーケット等を肌で感じながら学びつつ、企画職への転向希望の意向を会社へ示し続ける。
・小規模の企業でデザイナーアシスタントとして雇用してもらい、勉強し、一人前のデザイナーとして認めてもらう


パタンナーの場合

・小規模の企業やブランドに直接お願いをし、勉強をさせてもらいながら、自身でも独学を怠らず、何年かかけて学びながらパタンナーになる。


デザイナーへは、頑張り次第と前述の通り、絵が描けなくてもなれる場合があるが、パタンナーの場合は設計知識が必要である為、専門学校で学ばなければ、一般企業においてはパタンナー職へ就く事はほぼほぼ不可能であると考えて良いだろう。

 

専門学校へ通う意味




以上を踏まえて、専門学校を卒業し、基礎知識を学んだという証拠がなければ、少なくとも日本の企業ではクリエイティブ職に就くためにはかなり遠回りをしてしまう事になるし、確実性もないに等しい。

企業に入ってからは応用知識をどんどん学ぶ事になるわけであるが、基礎がないと右も左も分からないのだ。

服の機能性や構造を最低限理解する為に必要なところが専門学校なのである。

 

それでも、学校だけではセンスは作れない




学校では基礎知識を入れ、ハイクオリティな仕様等、"いいものづくり"について少しは学べるが、それもほんの一部である。

クリエイティブ職に就くということは、自身もクリエイティブでなければならない。

放課後や休みの日にマーケットリサーチをして、どのような物が今市場では売れているのかを分析してみたり、実際に試着をして着心地を確かめてみたりする事も学校で習った知識をより深く理解することに繋がる。

また、新しい発想をする為にはファッション以外の様々な知識も必要だと筆者は思う。

インテリアについて調べてみたり、美術館へ行ってみたりーーー。

ファッション以外のアートに触れると、また違った視点でファッションに携わる事が出来るし、創造力を刺激出来る。

新しい考えも、もしかすると生まれるのだ。

 

センスを信じてブランドを持つ事もアリ




専門知識はないけれど自身のセンスを信じている。

と思う人は、ブランドを立ち上げてみても良いかもしれない。

それこそ、OEMやフリーのデザイナー・パタンナーへ企画を手伝ってもらう事も出来るのだ。
いくらだって自分の考えは形に出来るし、根気があれば自身で学びながら自身のブランドのデザイナー・パタンナーになる事が出来る。

 

最後に


以上の通り、企業のデザイナー・パタンナーになる為には、専門学校へ通う事が最短コースである。しかし、上記のように、自身で勉強し、ブランドを立ち上げる事だってとても素敵な事だ。

また、クリエイションに正解はない、と筆者は思う。

「売れる=大衆に受け入れられる事」だとは思うが、決してそれが正解ではないし、大体、新しく馴染みのないものというのは、最初は受け入れられ難い。

自身のセンスを信じつつ、世間の感覚を変えてしまう位新しい発想をしようと思う事が、最大のクリエイティビティなのではないだろうか。