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重要トレンドで振り返るファッション業界の2016年

2017/01/01 02:53


2016年も残りわずか。ファッション界ではデザイナーの入れ替わりや、新しいビジネスの勃興が目立った1年となった。そこで今回は2016年のファッション界で話題になった出来事を振り返る。
 

Amazon Fashion Week TOKYO


(出典 https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=4715502051)


一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構が主催する東京ファッション・ウィークの冠スポンサーを今年10月17日から10月23日まで開催したファッションウィークでアマゾン ジャパン合同会社(Amazon Japan)が務めた。

前回まで冠を務めたメルセデス・ベンツ日本に代わり、「Amazon Fashion Week TOKYO(アマゾン ファッション ウィーク東京)」に変更し、

スローガンに『世界に向けた新人デザイナーの登竜門に』『「創」(デザイナー)、「匠」(製造事業者)、「商」(アパレル・小売)の連携の起点に』『東京をもっとおしゃれで楽しい街に』を掲げた。

アマゾンはファッションビジネスの拡大を見せており、プライベートブランドもスタートしている。

国際的な企業の協力のもと行われたファッションショーは、東京のファッションショーが世界に注目される出来事となった。
 

「See Now, Buy Now」デジタル時代の最速ショッピング


(出典 http://digitalagencynetwork.com/need-know-see-now-buy-now-fashion-industry/)


ファッションショーはパリ、ミラノ、ニューヨークなどで、複数のブランドが集中して次のシーズンのトレンドを発信する場として世界の注目を集めてきた。

しかし、業界関係者の為に開催されていたファッションショーはソーシャルメディアを通じ、誰もがリアルタイムで閲覧できるようになった。

今年9月、バーバリーがロンドンで最新コレクションを披露した直後、インターネットにアクセスできる人なら誰でも見たばかりの商品を購入できる方法をとり、他のブランドでもショーなどで発表された最新のアイテムがすぐに店頭やウェブで購入できる、「See Now, Buy Now」を実施した。

シーズンとタイムラグのある商品ではなく、今見たものを今買いたいと思う気持ちを形にしたのだ。

ソーシャルメディアの発達は今までのファッション業界を変革し、これを受け業界では現在もこの事態に賛否両論が行き交っている。

 

エディ・スリマンの退任


(出典 frickr)


4年間サンローランのクリエイティブディレクターを担ったエディ・スリマンが退任した。

サンローランのメンズとウィメンズのコレクション、世界各地のブティックの内装や広告の撮影まで、ブランドに関わるすべてのクリエティブを取りまとめていた人物。

以前から噂はあったが、予想以上に早い決定となり、パリのユニヴェルシテ通りに建つ18世紀の館で2016年秋冬コレクション発表が最後のショーとなった。

後、ベルギー出身のデザイナー、アンソニー・バカレロがサンローランのクリエイティブ・ディレクターに任命された。去年表参道に旗艦店を構えた直ぐの出来事であったため彼のファンにはショッキングなことだっただろう。
 

古着ブームの再来?


(出典 frickr)


各種雑誌で古着にフォーカスした特集記事が組まれ、セレクトショップでも古着の販売に積極的だ。

今までコアなファンを顧客としていたビンテージ古着の市場。今年は特にミリタリーやビッグシルエットが流行し、リアルビンテージをファッションアイテムとして取り入れる人が増えた。

一般的に古ければ、古いほど価値が高い古着だが、ビンテージの定義は変わりつつある。

そのため、ビンテージに拘らない若者層も取り入れ始めている。古着の町として著名な中目黒駅に「中目黒高架下」が登場し、今後も古着は注目されていくだろう。

古着は希少性が最大の付加価値だ。ノームコアファッションが近年流行っているが、似たようなテイストの中に特別なものを取り入れる傾向が見える。
 

「Rei Kawakubo/COMME des GARÇONS」開催決定


(出典 http://www.nytimes.com/2016/10/23/fashion/comme-des-garcons-rei-kawakubo-metropolitan-museum-of-art-costume-institute.html?_r=0)


2017年5月4日から9月4日までNYのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートが主催する特別展のテーマが「Rei Kawakubo/COMME des GARÇONS」に決定した。

展覧会には、彼女の1981年のパリデビューコレクションから最新の2017年春夏のコレクションまで、120点に及ぶ。特別展のテーマに現存するデザイナーが選ばれることは、イブ・サン・ローラン以来だ。

マルタン・マルジェラなどアントワープ出身のクリエイターたちに大きな衝撃を与えた川久保は、世界中の服飾研究者たちの研究対象にもなっている。

80年代から突き出たクリエイターとして頂点にいる彼女のブランド、コムデギャルソンの展示は世界中から注目され、各国から多くの人が集まるだろう。
 

インフルエンサーの活躍


(出典 https://www.wossel.com/blog/los-riesgos-de-ser-solo-instagramer/)


インスタグラマーなど、SNSを通じて多くのファンを持つインフルエンサー達が注目を浴びた。

今まで流行(クチコミ)は「企業主導型」で発信されてきたが、ソーシャルメディアを通じて新しい存在が現れ、流行は「自然発散型」に。

インフルエンサー達の影響力は非常に大きく、彼らを効果的に起用したマーケティングも行われている。

インフルエンサーのファッションは特に注目され、投稿はルックブックのようだ。自身のオンラインショップでファッションアイテムを販売するなど活躍の場を増やし、

2016年は「インフルエンサー」という立場が世間的に認知され始めた。
 

アパレル労働環境を問題視


(出典 frickr)


大手広告代理店社員の過労自殺問題を受け、現在の労働問題に言及する記事はアパレル業界でも度々取り上げられた。ラグジュアリー・ブランドの一部でも未だ劣悪な労働環境が強いられているようだ。

もともとアパレルは「ブラック」などと揶揄されてきた職業。加えて、国内の小売の業績が芳しくないこともあってか、無理な残業や本社と販売員の確執、労働と割に合わない給料など問題視する声がみられた。

問題は国内にとどまらず、サプライチェーンの見直しや、倫理的な製品開発にも及び、ファッションのあり方や消費のあり方も見直され始めた年だと感じる。
 

ブラックフライデー


(出典 https://mobile.twitter.com/Gap_JP/status/669855955283132418)


今年初めてブラックフライデーというワードを聞いた方も多かっただろう。

アメリカ合衆国において、毎年11月の第4木曜日に行われる感謝祭の翌日の金曜日に行われるセール商戦が日本でも大々的に報道された。

GAPでは深夜24時からセーター100円セールを打ち出し、H&Mは名前にちなんだ「ブラック」を基調としたコレクションの展開、ラグジュアリーブランドを取り扱うオンラインコマースのファーフェッチでは最大50%オフのサイバーセールを実施するなど、アパレル業界は特に注目された。

テレビでは店に殺到した人々で賑わう様子が流れ、「ブラックフライデー」に行われる各社のユニークなイベントは今後の浸透が見込まれる。
 

伊『VOGUE』編集長 フランカ・ソッツァーニ死去


(出典 http://vision.ae/art-life/life/franca-sozzani-agent-provocateur)


ファッションバイブルとして愛される『VOGUE』のイタリア版編集長、フランカ・ソッツァーニが今月22日に死去した。ファッション界で数多くの功績を残した彼女は、慈善家としても長年に渡り活躍してきた人物だ。

1988年から28年にわたってイタリア版ヴォーグの編集長を務め、イタリア版『ヴォーグ』を世界のファッション誌の中で影響力のある雑誌のひとつに押し上げた。

ドナテラ・ヴェルサーチやカリーヌ・ロワトフェルドまで、ファッション業界は彼女を失った悲しみに暮れている。
 

東京の新しい顔、小池都知事とファッション


(出典 http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/04/tokyo-mpa-koike_n_12326156.html)


東京都知事選に当選し、都知事を務める小池百合子氏。

11月30日に行われた第45回「ベストドレッサー賞 2016」の授賞式では、「政治部門」と「ウールマーク賞」をダブル受賞した。

前回は2005年、環境相時代に提唱した「クールビズ」の功績により選ばれ、受賞はこれで2度目になる。

小池知事は日本の縫製技術や素材に更なる付加価値を付けて売りたい、と考えている。日本の素材は素晴らしさや、織りや編み、染色、縫製の工程を国内で手掛けた純国産衣服のクオリティの高さに着目している。

しかし、「それを世界にアピールするためには、より研ぎ澄ませていかなければ。また、パリコレのような若手を育成する活動が必要」と指摘する。

(出典 https://dot.asahi.com/afp/2016082200032.html)


8月のリオデジャネイロ五輪閉会式では「着物しかない」と鶴の模様の色留袖を纏い、前知事の時代に作られた東京都観光ボランティアの制服デザインに対し見直しの進める。

また、こだわりのセミオーダースーツの着まわし術を持ち、自分らしいファッションを楽しんでいる。小池知事はファッションを大きな武器と考えているのだ。

「東京を文化の発信地にしていく」と宣言しているが、ファッションはその経済的効果や対外的アピールも含めて大きな要素となるだろう。

小池都知事の奮闘は東京をベースにしたブランドの発掘と、その後押し、ひいては国内繊維産業の活性化に繋がるのだろうか。新しい女性リーダーの今後の活躍に期待が高まる。



イギリスのEU離脱やトランプ次期大統領の当選、国内では小池百合子氏の都知事当選を受け東京オリンピック問題が数多く取り上げられた。

2016年は「Pokémon GO」「Uber Eats」「君の名は」「PPAP」など様々なエンタメニュースも飛び交い、振り返って見ると1年という密度の濃さが感じられる。

ファッション業界ではテクノロジー技術や、シェアといった新しい価値観が増え、色々な分野との繋がりを見せている。

2016年は日本のクリエイティビティへの注目が高まり、ソーシャルメディアがファッション業界に新しい仕組みを登場させた大きな年だ。