画一的な美の開放。スーパーモデルを起用しない下着ブランド「aerie(エアリー)」が人気を集めるワケ

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一般的な下着ブランドのサイトを見ると、そこには抜群のプロポーションを持った女性達が、皆一様にセクシーなポーズをとっている。高い身長にたわわなバスト、くびれたウエスト・・・普段の生活ではなかなか見かける事もないような、見事なボディラインの女性達。―それもそのはず、彼女たちは“スーパーモデル”なのだから。

でも、実際にその下着を買う女性達が、みんな高身長で、豊富なバストで、細いウエストで、きゅっとあがったヒップなわけはない。むしろ、そういったプロポーションの女性はほんの一握りと言えるのではないだろうか。

そんな、言わば当たり前すぎて誰も気づかなかったことに目を向けた下着ブランドがある。アメリカのカジュアルブランド「AMERICAN EAGLE OUTFITTERS 」の姉妹ブランド、「aerie(エアリー)」だ。

「エアリー」の広告には、スーパーモデルを起用せず、写真修正も一切行われない。

ナチュラルな女性像を描き、消費者の支持を集め、今アメリカで勢いを増している「エアリー」について紹介したい。
 

モデルに憧れる時代から、共感する時代へ


aerieJAPAN 公式サイトより


ここ数年、“ボディポジティブ”というムーブメントが広がりを見せている。従来の画一的な美、すなわち「痩せていて」「ウエストはくびれていて」「胸やおしりは大きく」といった、社会が生み出した“理想的なボディ”から女性達を開放しようという動きだ。

ボディアクティビストとしても活動するプラスサイズモデルのアシュリー・グラハムの活躍や、2016年にはバービー人形に新たな体形(プチ、トール、カーヴィ―)が加わるなど、ファッションやビジネスの世界に大きな影響を与えている。

「エアリー」は、2014年のスプリングコレクションから“ The Real You is Sexy (ありのままのあなたが魅力的 )”というポリシーを掲げ、スーパーモデルの起用も写真の修正も一切行わない、#AerieREALというキャンペーンをスタートさせた。



こうしたキャンペーンは多くの女性の共感を呼び、「エアリー」の人気は加速。現在に至っても「エアリー」はそのポリシーを継続させている。
 

「エアリー」と対極の位置にいる「ヴィクトリアズ・シークレット」の低迷

Victoria's Secret公式サイトより


アメリカの下着ブランドといえば、「Victoria's Secret(ヴィクトリアズ・シークレット)」を真っ先に思い浮かべる人も多いはず。

モデルの中でも選りすぐりの美女を選出した(身長は176.5cm以上、ウエストは61cm以下という規定がある)同ブランドの「エンジェルズ」と呼ばれるモデル達は、一般の女性はもちろん、モデルを職業とする女性からも一目置かれる存在だった。

しかし、ボディポジティブが盛り上がりを見せる中、モデルを厳しい規定で統一していた「ヴィクトリアズ・シークレット」の戦略はあだとなり、顧客との関係構築がうまくいっていないと指摘する声も多くあがっている。

こうした世間の声をあらわすかのように、「エアリー」が四半期連続既存店売上げを伸ばしている一方で、「ヴィクトリアズ・シークレット」は2017年既存店売上高はすべての月で減少、低迷が続いている。

消費者である女性達は、「非現実なまでに完璧なボディ」に憧れる事から、「ありのままの自分を活かす」事に目を向けたのだ。
 

多様性に富んだ女性達が飾る「エアリー」のトップページ

aerie公式サイトより


「エアリー」のトップページには、SNS上で参加を募ったという女性達が並ぶ。見た目もバックグランドも多様な彼女達だが、皆一様にリラックスした、ナチュラルな表情が印象的だ。

そこには、「Don't change you. Change your bra!(あなたを変えるのではなく、あなたにあったブラに変えてみて)」というメッセージが添えられている。

「エアリー」の商品には、“ありのままのあなたを輝かせて”というコンセプトをはじめ、無理をせず、「そのままの自分を大切にしよう」というメッセージが溢れている。多様性が叫ばれる今の時代にマッチした「エアリー」は、これからも女性達からの共感を多く集めるに違いない。