反トランプ・歴史的デモを成功に導いたファッションの力:ウィメンズ・マーチのシンボル”PUSSYHAT"

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ドナルド・トランプ新大統領就任式の翌日1月21日、アメリカの首都ワシントンD.C.を中心に、女性の権利や男女平等を訴える大規模なデモ『Women's March(ウィメンズ・マーチ)』が行われた。

主催者の発表によると、デモ参加者数は全世界で500万人以上にものぼるという。


世界規模のデモのシンボルとなったのが『PUSSYHAT(プッシーハット)』と呼ばれる、ピンクの猫耳付きの帽子だ。

この小さな帽子が『a sea of pink(=ピンクの海)』をつくりだし、各種報道におけるデモの映像をより印象的なものにした。

この可愛らしい手編みの帽子が果たした役割は、視覚的効果だけではない。

歴史的なデモとなったウィメンズ・マーチの成功を支えた、アイコニックなファッションアイテムに注目する。



https://www.pussyhatproject.com/blog/

 

ウィメンズ・マーチとは


トランプ新大統領の一連の女性蔑視発言を受けトランプ氏当選の翌日に、ハワイ州在住のアメリカ人女性が女性の地位向上・差別反対を訴えるデモを企画した。

地元メディアによると、ワシントンD.C.約50万人、ロサンゼルス約75万人、ニューヨーク約40万人、オバマ前大統領の地元シカゴに約25万人と、アメリカだけでも参加者数100万人を超えたと言われる。

アメリカ国外ではロンドン、パリ、シドニー、東京など主要都市を筆頭に世界60ヵ国、156都市に広がった。

たった1人の呼びかけが、何百万人が参加する世界的なデモに発展したのだ。

『ウィメンズ・マーチ・グローバル(WMG)』が発表したデモの4つの目標は、頭文字をとって『H.E.R.S.(ハーズ)』と呼ばれている。

女性の権利獲得を目指す上で欠かせない4つの重要な要素、「Health(健康)」「Economic Security(経済的安定)」「Representation(代表)」「Safety(安全)」の頭文字をとって名付けられたものだ。

日本では、反トランプデモとしてひとくくりに考えている人もいるが、本デモは個人攻撃ではなく女性の権利を訴えることが主な目的である。

多数のセレブリティが参加したことでも話題となった。ワシントンD.C.ではマドンナやアリシア・キーズ、スカーレット・ヨハンソンが壇上に上がり、エマ・ワトソンやケイティ・ペリーらがデモに参加した。

他の都市でも、アリアナ・グランデ、ブレイク・ライブリーといったセレブリティの姿が見られた。

 

 

 

プッシーハット、3つの効果


国籍、人種、居住地、年齢、性別などを越えて世界中のデモ参加者たちを1つにしたもの、それが『プッシーハット』である。

プッシーハットの製作、着用を呼びかける『PUSSYHAT PROJECT(プッシーハット・プロジェクト)』は、ロサンゼルスに住む2人のアメリカ人女性から始まった。

初心者でも簡単につくることができる帽子の編み方をインターネットに投稿したところ、すぐさま賛同の声が相次いだ。

昨年の11月末にスタートしたプロジェクトだが、12月末には製作された帽子の数は6万個を記録、アメリカ全土の手芸用品店や編み物教室がこのプロジェクトに賛同し、編み手からデモ参加者への帽子の受け渡し場所となった。

このデモで、プッシーハットが果たした役割は大きく3つある。前述の視覚的訴求の強化に加え、デモの認知促進と参加者の結束の強化である。

デモの認知促進という点でみると、このプロジェクトの要所要所で、拡散しやすい仕掛けがなされている。

『プッシーハット』という名前は、元々「かわいい猫ちゃん」を意味する「PUSSYCAT(プッシーキャット)」にかけたものだが、「女性器」を意味するスラング「PUSSY(プッシー)」の意味も含んでいる。

トランプ新大統領の「プッシーをつかむ」といった女性蔑視発言に対する抗議の意が込められている。

少々過激と思われるネーミングだが、本デモでは他にも、過去のトランプ新大統領の発言を揶揄した「NASTY WOMAN(=嫌な女)」といった語気の強い言葉がスピーチやプラカードで故意に使われている。

普段では使いづらいスラングも、ユーモアと共に用いることで、強いインパクトを与えることができる。

このキャッチーなネーミングを公式ハッシュタグとし、帽子の編み手と受け取り手、双方へSNSへの投稿を促した。

デモ参加表明の投稿は躊躇する人もいるだろうが、ピンク色の可愛い帽子の写真であれば誰もが気安く投稿できる。

帽子製作から着用まで、思わず投稿したくなるシーンの連続だ。

SNS上に、プッシーハットを被ったセルフィーや友人たちと集まって編み物をする様子が溢れた。

さらに、編み手からデモ参加者への帽子の受け渡しも、SNS上で活発に行われ、潜在的にこのデモに共感しやすい層へ情報が広がっていった。

 

A follower sent this to us. I love it so much ️ #womensmarch #womensmarchonwashington #pussyhatproject #pussyhat #pussyhats ~Sam

Kota-CS AG DPR Sam-TM P Tye-TMさん(@lgbtq.pass.it.on)が投稿した写真 -


また、プロジェクト参加者の結束を促す仕組みも驚くほど丁寧だ。

プロジェクトの公式ホームページでは、近隣で帽子を探している人やプロジェクト参加店舗を簡単に検索できる。

サイト内には、編み手が帽子に同梱できるメッセージカードのデザインがアップされている。

カードには、編み手のメールアドレスを記載する欄があり、帽子の受け取り手に、編み手への連絡を促している。

ニッターとデモ参加者を繋ぐ仕組みだ。

当日デモに参加できないニッターも、自身の貢献を実感することができる。

このプロジェクトでは、編み手に対して、皆で集まってこの帽子を編むことも推奨している。

このプロジェクトを機に編み物に挑戦する人々も現れ、『Gossiping Circle(=井戸端会議)』と揶揄される編み物をする女性たちの集いを、デモの決起集会に変えることに成功した。



https://www.pussyhatproject.com/blog/


その他、プッシーハット・プロジェクトでは寄付の呼びかけも行われデモの運営にあてられるなど、プッシーハットがウィメンズ・マーチ成功のかげで果たした役割は大きい。

帽子を編む瞬間から、デモは始まっていたのだ。
 

メッセージTシャツも活躍


プッシーハットの他にも、思い思いのメッセージをデザインしたTシャツたちがデモを盛り上げていた。

Dior(ディオール)は「WE SHOULD ALL BE FEMINISTS」と書かれたTシャツを発表、歌手のリアーナや女優のナタリー・ポートマンが着用した。

 

Another Dior woman spotted wearing our 'We Should All be Feminists' T-shirt... We you, too, Rihanna! #regram @BadGalRiri.

Dior Officialさん(@dior)が投稿した写真 -

 

人気モデルのスキ・ウォーターハウスは、乳房がプリントされただまし絵Tシャツを着用。

 

Here we go #womensmarch2017

Suki Waterhouseさん(@sukiwaterhouse)が投稿した写真 -


ファッション関係者による洋服を使ったスタイリッシュな主張が、普段政治に興味がない層にも強くインパクトを与えた。

 

ファッションアイテムが世界を一つにした


ハワイとロサンゼルス、遠く離れた2つの土地に住む3人の女性のアイディアが、何百万という人々の行進となったことに感動を覚える。

プッシーハットやメッセージTシャツといった、ウィットに富んだアイディアがそれを後押ししたことは間違いない。

ニット帽・Tシャツというごくごく一般的なファッションアイテムが、敬遠されがちな政治活動を誰もが参加しやすいファッショナブルなものに変え、多くの人々を動かした。

うごめく鮮やかなピンクの海は、計り知れない女性の本来の力を視覚化したようだ。

この歴史的なデモが与える影響を見守りたい。

 

 

sourse:
https://www.buzzfeed.com/sakimizoroki/wmw?utm_term=.hu3dOoBOgn#.uqxjVg8V61
http://edition.cnn.com/2017/01/20/politics/pussyhat-project-washington-march-trnd/



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