【New York FW Women / 17-18AW】Day5 Victoria Beckham(ヴィクトリア・ベッカム)の微笑ましい成長とAltuzarra(アルチュザラ)の圧倒的に緻密な美

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初日に積もった雪の名残りが消えないニューヨーク。

2月12日ニューヨーク・ファッションウィーク5日目は、今後のニューヨークファッション業界を担う、ブランド創設10年程度の中堅デザイナーから大御所ベテランデザイナーまで多彩な顔ぶれ。
 


中堅と呼ぶにはあまりに有名過ぎるVictoria Beckham(ヴィクトリア・ベッカム)。毎シーズンのコレクション発表で注目されるのは、フロントロウのベッカム一家だ。
 
David Beckham(デヴィッド・ベッカム)もさることながら、息子3人のイケメンぶりと末っ子長女5歳の娘の愛くるしさが堪らない!
 
彼等の成長を見られるのもVictoria Beckhamのショーの楽しみの一つであり、ニューヨーク・ファッションウィークの風物詩的存在。
 

 


本題のコレクションはというと、今季は新たな彼女の挑戦が感じられる内容であった。
 
本人も「ブレザーとスカートをコーディネートしたことは過去に一度もない」と語ったが、今季は初挑戦のスタイリングが軸となる。
 
オーバーサイズのフォーマルでマスキュリンなブレザーのインナーには素肌が見えるほど薄い光沢のあるシャツに、透け感のある柔らかいシフォン素材のスカートを合わせ、足元はニーハイのレザーブーツ。
 
ルックの中にマスキュリンとフェミニンが共存する。
 
ロングのウールコートにシルクのドレス、ボリュームのあるレザーのグローブや、厚手のタートルネックニットに大波を打つようにフリルのついたシフォンのスカートといった具合に、重厚感あるアイテムと軽やかで涼しげな素材をミックスさせてリュクスな雰囲気に仕上げた。
 
淡いブルーと深いネイビー、ラズベリーレッドやボルドーなど同色系でも微妙に濃淡をつけ、落ち着いたトーンで全体が秋色に染まっている。
 
8年半前に発表した彼女のファーストコレクションとは真逆と呼べるほど、リラックスで軽快な印象だ。
 
しかし、一貫して変わらぬ凛とした女性らしさと、内側から香り立つようなエレガントにはVictoria Beckhamらしさが感じられる。
 
“笑顔を見せない冷酷な女”と長年言われてきたVictoriaが、フィナーレで見せる柔らかい笑顔。
 
それはVictoria Beckhamは彼女が投影されたブランドであるということを物語り、彼女自身と家族の成長をこれからも楽しみにしたいと思わせてくれる、微笑ましい変化である。
 

 

 ニューヨークファッション業界の重鎮であるDiane von Furstenberg(ダイアン・フォン・ファステンバーグ)。
 
チーフ・クリエイティブ・ディレクターに就任したJonathan Saunders(ジョナサン・サンダース)のファーストコレクションとなった先シーズンは、「ブランドのスピリットを受け継ぎ次の一章をスタートさせた」と大好評であった。
 
店頭やeコマースでも売り切れ続出と、申し分のないデビューを飾った。
 
新コレクションも彼のプリントへの情熱が感じられる、鮮やかで生き生きとしてDVFらしい女性像を築いた。
 
シルク、レース、ファーなどラグジュアリーな素材を多用するも、どこか肩の力を抜けたエフォートレスな雰囲気漂う。
 
デイにもナイトにも着用できて、並外れたドレッシーではない。

日常的にファッショナブルでありたいと願うニューヨークの女性のリアリティが詰まったブランドは、Jonathanによって見事にアップデートされた。 
 

ブランド創設9年目を迎えるAltuzarra(アルチュザラ)は、ジャーナリスト泣かせのブランドだ。

フレンチクチュールにも引けを取らない繊細なディテールワークは、言語化するにはあまりに難関な故。

デザイナーJoseph Altuzarra(ジョセフ・アルチュザラ)の情熱と才能は今季、北方ルネサンスの美術品と出合い、美しさにさらに磨きがかかる。

北方ルネサンスとは1450年代に中央ヨーロッパで広まったとされる美術様式。「最も精緻な描写」とも言われるほど、非常に細かいのが特徴だ。

コレクションを構成するダッフルコートやのはスーツジャケット、ケープなどベースとなるのはクラシックなアイテム。

しかしディテールに目を向けると、コートの淵に付けられたティアドロップ型のパール、手編みのケーブルニットセーター、ヴィクトリア調のフラワープリントの刺繍。

さらには、細い縫い糸で刺繍を施したデリケートなデザインまで、気が遠くなるほどの繊細さだ。

Josephが北方ルネサンスに惹かれた理由は「この時代、人々はどのように着飾れば自分が美しく見えるかに興味を持ち始めたから」だと語った。

イタリアで鏡が誕生してから100年程のこの時代は、人間の“美”への追求の始まりでもあるようだ。

過去から美しさのヒントを引用しつつも、モダンへのアプローチも見事である。

クラシックに反逆するのは、全てのルックの足元を飾った厚いソールのコンバットブーツ。歩くたびにロックな余韻を残していく。

胸元を大きく開けたドレスや鋭いスリットが入ったスカート、レザーのバイカーパンツなど、カッティングや大胆な肌見せでモダニティが加味された。

並外れた彼の才能とアルチザンに圧倒されると同時に、時に言葉は無力であることを痛感する。

いつの時代も変わらぬ人間の美への探究心やファッションの意義を、彼の作品は雄弁に語っていた。

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