​​​​​​​【London FW Women / 17-18AW】Day2 独自の個性と哲学を強調

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2月18日ロンドン・ファッションウィーク2日目は、特異な異文化で魅せるChalayan(チャラヤン)、注目のJ.W.Anderson(JWアンダーソン)、ミリタリーとロマンティシズムで詩的な美しい世界観を作ったSimone Rocha(シモーネ・ロシャ)。

それぞれブランドの個性と哲学が強調されるコレクションであった。

ロンドンベースのブランドChalayan(チャラヤン)は、今季コレクション発表の場をパリからロンドンへカムバック。

1995年Hussein Chalayan(フセイン・チャラヤン)の名でロンドン・コレクションにてデビューを果たし、これまでデザイン・アワードを受賞、ブリティッシュ・デザイナー・オブ・ジ・イヤーを2年連続で受賞するなど実力と経験を兼ね備えたブランド。

パーソンズ在学時には、肉を切り身にした布や土中に埋められていた服といったテーマの作品を発表し、学生時代から特異で独特な彼の才能は注目されていた。

デザインには、彼の生まれ育った環境が大きく影響を与えているに違いない。ギリシャ系住民とトルコ系住民によって、南北が分裂したキプロス島で幼少期を過ごし、12歳で離婚した父親とともにイギリスへ渡った。

比類ない感性とアイディアで、全く新しい洋服の概念を構築している。

ショーはランウェイではなく舞台にモデルが歩く形で行われた。最新技術を用いて独自に開発されたガーメントでシームの一切ない服がファーストルックを飾った。

膝あたりで角を作り、台形型に仕立てたパンツやショルダーからスリーブにかけて丸みを与えたジャケットなど、特異なフォルムで形成。

終盤では、モデルがドレスについたフェザーなどの装飾をちぎるように剥がし取り、異なる表情をつけた。散り落ちる装飾は刹那的で、美しい瞬間を切り取っていた。

自身の思想や哲学を服として表現することにおいては、最も長けたデザイナーではないだろうか。


J.W.Andersonは今季も同じショー演出。迷路のような回路をモデルが闊歩する。

彼のデザインは非常に読み解くのが難解で、複雑な構造をしている。その複雑さはますます加速し、今季はさまざまな素材、シルエット、レイヤードを取り入れてバラエティに富んだルックが登場した。

1つの1つのルック全てにテーマがあるような、印象だ。

例えば、いくつかの異なる布を合わせて仕立てたドレスは、ギリシャ神話の女神のドレスのように見えた。ロングアンドリーンで歩くたびに裾が美しい表情を出す。

チャイナドレスのシルエットやカンフー衣装のようなアイテムといった、オリエンタルな雰囲気も。


胸元の白いドレープが陶器のように美しいドレスは、修道服がモダンに生まれ変わっているようだった。

シルバーにフラワープリント、フェザーの装飾をあしらった軽やかなスカートのスタイリング。ブロケードとレザーをチャイナボタンで繋ぎ合わせたアシンメトリーのドレスなど、異素材ミックスと予想外のレイヤードは続く。

裾を折り返したスカートはウエストラインに取り付けられたボタンの付け替えによって、レングスやシルエットが異なり、その他ジッパーや胸元のポケットなど、スポンテニアスの要素は今季も健在。

定番のピアスバッグは、スウェードレザーに長いリボンがあしらわれ、ロマンティックに進化していた。

さまざまな要素が詰め込まれたショーは、矛盾な衝突を生みことなく調和がとれ、フェミニンでパワフルに満ちていた。
 


ロンドンに旗艦店をオープンしたばかりのSimone Rochaは今季、現代の政治的混乱をコレクションに反映させた。

争いが生むダークでネガティブな力を、ロマンティックでポジティブな空気へと変え、女性の強さを強調した。

ファーストルックはカーキのミリタリーコート。襟をデフォルメし、肩からスリーブにかけて女性らしい丸みのでるフォルムに、ベルヴェット素材がラグジュアリーで感をグッとあげた。

足元にはクリスタルの装飾とファーをあしらった、メルヘンなシューズを。

レースのドレスやアウター、フラワーの刺繍はロリータ調のロマティシズム 強いルックには、アーミーポケットやクロスボディのベルトといったミリタリーテイストを融和させ、新しいテイストに仕上げた。

クチュールワークのような繊細さが目立つフラワーの装飾はドレスやコートに多様され、クラフトマンシップの高さも見事である。

ロマンティックで夢心地な雰囲気ではあるが、地に足のついた力強さが印象的であった。

それは排他的な強さではなく、柔軟で相補的な優しさ故の強さ。