Ethical Fashion-新しい消費のカタチ-

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『この服はどこで誰が作っているんだろう』

衣生活において私達「消費者」は、デザイン・製品のスペック・価格・サイズなどを気にしながら買い物をし、製品がどのような過程を経て店頭に並び、私達の手元に来るのか考えたことはあるのだろうか。

2009年に流行語大賞に選出された「ファストファッション」が隆盛し、流行のデザインの衣服が低価格で購入できるようになった。

しかし、そのように先進国が十分な衣生活を過ごすことができるようになった生産背景には、大量の農薬を使用する綿花生産者たちの健康被害、衣類の大量消費の末の大量廃棄による環境への悪影響などの大きな問題も発生している。

新しい服を手に入れる時「その服が作られるまでの過程」も考えてみてはいかがでしょうか?

 

 出典 idealog http://idealog.co.nz

「エシカルファッション」と「FAIR TRADE (フェアトレード)」


エシカルファッションという言葉が近年欧米を中心にファッションシーンを賑わせています。

エシカルとは「倫理的な」「道徳的な」という意味の形容詞で、エシカルファッションとは「流通」「製品素材の選定・購入」「製造」において地球と動植物、人間にとって良いファッションのことを言います。

フェアトレードとは、エシカルファッションの過程の1つで、環境破壊されることがなく商品に見合う公正な対価を支払うことで彼らが自らの力で暮らしを向上させ、自立できる仕組みのことを言います。

今まで私たち消費者は「貧困問題」、「人権問題」、「気候変動」は個人の問題ではなく、企業や社会の問題だと思ってはいなかったでしょうか。

日々の買い物で私たち消費者は、世界に影響を与える力を持っています。

 

出典 THE WALL STREAT JOURNAL http://www.wsj.com/asia 倒壊した縫製工場)

劣悪な労働環境、2013年ダッカで起きた悲劇


バングラデシュの首都ダッカ近郊で2013年、縫製工場などが入っていた複合ビル「ラナプラザ」が崩壊し、1100人以上が死亡した。

事故以前から亀裂などがあり、安全が十分とは言えない状況だったという。

5階から上が違法建築の8階建のビルに、約4000人の縫製労働者が働いており、その多くは17歳~21歳も女性。劣悪な環境、低賃金で働き、給料の未払いなどの問題の中この痛切な事件は起きた。

販路を持たない立場の弱い生産者に対し非常に安い賃金しか払わないアンフェアな貿易が行なわれていた。

 

出典 The Merry-go-Rand http://themerrygoround.com.au 労働者の人権を求める運動


低価格を実現したいメーカーは工場にコスト減を求め、コストを下げるため労働環境などの整備コストを削減するほかありません。

しかし合理性や効率ばかりを重視した結果、持続可能性が低くなりこのような悲劇が起きました。

衣服の価格が下落し、デフレ状態にあるにもかかわらず、生産コストはむしろ上がっています。この状況で消費者がより安さを求めることは世界のどこかで人々を搾取していることに繋がっているのです。
 

出典 N2E.ORG project, idea & solutions https://n2e.org



薬剤による大量生産の代価


コットンの畑は、世界の全農作物における耕作面積の約5%、しかし農作物に使用される殺虫剤の約25 %がコットン畑に使用。

生産者の多くは、発展途上国に暮らす小規模農家で、いくらコットンを生産しても安く買われ、僅かな収入しか得ることができないという現状である。

通常のコットンの場合、まず種に防虫剤や殺虫剤が使用し、そしてほとんどが遺伝子組換。単一栽培では化学肥料に依存し、大量の水を必要とするため灌漑設備に頼り地下水の枯渇など環境影響が懸念され、飛行機を使って有毒な除草剤を広範囲にまく場合があり、周辺地域への環境影響と人体への健康被害が問題視されている。

インドでは、40万人もの児童が農薬に汚染されたコットン畑で、強制的に働かされ、1枚のTシャツを作るのに、種を育てるところから最終製品が出来るまでの過程で、約2000ℓもの水が使われているという。

 

出典 朝日新聞 DIGITAL http://www.asahi.com オーガニックコットン認証のコットン生産

生産過程の透明性を求める社会に



消費者意識が大きく変化し流行のアイテムを安く手に入れたいと考える人が年代を問わずに増え、企業側では消費者獲得のためグローバル競争が激化し、汎用品についてはコスト重視で海外生産等を進める低価格競争が激化しています。

大量生産、大量消費を繰り返してきた背景には、社会的に立場の弱い生産者が搾取され、「強制労働」、「児童労働」、「低賃金労働」、「長時間労働」など、人権を無視した悪い条件で労働者を雇っている工場があります。

原料が良ければいいというわけではなく、そのすべての生産過程が透明性をもつことが重要です。

企業がビジネスとしてフェアトレードの商品を成り立たせるためには、その価値観を持った消費者が増え、商品価値がリーチしなければなりません。

何を選ぶかは個人の選択です。

実店舗に行かなくてもECサイトで簡単に製品を購入できるとても便利な社会になりました。しかし、商品としての価値をもう一度考え直すことが必要ではないでしょうか。

消費者にとって安くないエシカルファッションの商品を全て纏うことは、理想であって金銭的に難しいかもしれません。

ファストファッションなどの低価格商品は、気軽におしゃれを楽しみたい、節約したいという消費者にとって強い味方であるのも事実であり、否定するのは難しいです。

「安いし良さそう」という感覚的ムードで製品を選択するのではなく、新しい商品を手に取る時、その商品を愛着持って着続けたいのかということを考えるだけでもファッションを取り巻く環境を変えられるのではないでしょうか。私たち一人ひとりの選択がライフサイクルの各段階で起きることに影響を及ぼしていることに気付くのが大切だと思います。


Yumi Takahashi

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