【エシカル談義 #5 鎌田安里紗×布田尚大】2つのキーワードとこれからのファッションカルチャー

Content


近年、日本のファッションシーンでも注目度を高める「エシカルファッション」。

そんなエシカルファッションの普及に先駆的に取り組む人達の声を聞いた特別企画「エシカル談義」。

エシカルファッションの正しい普及の仕方とはなんなのか。そもそもエシカルの定義とはなんなのか。エシカルに対する期待や疑問をそれぞれのエシカル論で語っていただいた。

続いては、エシカルファッションブランドINHEELS(インヒールズ)でCOOを務める布田尚大さんと、エシカル・ファッションの情報発信、途上国支援と活動の場を広げているモデルの鎌田安里紗さんにお話しを伺った。

バックナンバー
【エシカル談義#1 龜石太夏匡×信田阿芸子】エシカルファッションの付加価値とプロデュース戦略

【エシカル談義#2 岡田有加×大釜翼】エシカルが普及するための効果的なアプローチとは?

【エシカル談義 #3 岡田有加×大釜翼】 完璧を求めず、中途半端な人を増やす。

【エシカル談義 #4 鎌田安里紗×布田尚大】エシカルファッションは拡大路線を進むべきなのか




 

キーワード1「地方」との関わり方



布田:もちろん地方とのお取引はあるんですけど、伝統的な織物とかとコラボしようといった考えはまだないです。

ブランドカラーがあるのでそのあたりは慎重に考えています。

ただ、地方で頑張っている人や面白いものを作っている人はたくさん知っていて、話していると価値観が共通する部分もあるので、コラボというよりコミュニティのように繋がっていければいいなと思っています。

鎌田さんは、地方によく行ってますよね。いまの地方の具体的な面白さってどういうところなんだと思いますか?


鎌田:いまは、世の中で一般的に提唱されている合理性って早いとか金額が安いことだと思うんですけど、もっと歴史や風土に根ざした合理性があると感じています。

例えば、児島(岡山県)だったら元々島だったので土に塩があってお米が育たなかったんですね。

なので、塩を吸うコットンを育てて売ったという歴史があるんです。

そうやってその土地にしかない理にかなったやり方をそれぞれ持っているんです。

そういう歴史的、土地的合理性を完全無視してグローバルスタンダードな合理性を押し付けている気がするから、逆に勿体無いんじゃないかと思う事が多くあります。

そういう歴史や理由を聞くと単純にワクワクしますね。


布田:歴史とかそういう土地のものをうまく伝えるにはどうしたらいいんだろうね。

まだ答えはないですけど、よく言うじゃないですか「モノからコトへ」って。いわゆるストーリー消費の時代。

でも、そのストーリーも無数にあるわけだからそれだけで勝負すのは無理だし、自分となんのゆかりもないことだと実際、興味ない人が多いと思うんですよね。

なので、まずは自分の近くにあるストーリーを見つけやすい環境を作っていくことが大事かなと。

どんな小さなストーリーでも発信しやすくね。


鎌田:あと、地方を“ミニ東京”みたいにしようとするのはあまりピンとこないです。

逆に勿体無いし後々危険だなと思います。

そこにしかない歴史や文化、技術を残していかないと戦闘力を失うというかわざわざそこに行く理由が失われてしまって、ますます人が来なくなってしまいますよね。


布田:ぶっ飛んだものとかがあれば面白いのかもしれないですよね。

例えば鎌田さんはエシカルだけどギャルみたいな、それってすごい新しい。

インヒールズもエシカルだけどセクシーっていうところで、こんなのがあるんだって。

そういうエッジの効いた見せ方みたいなのは面白いのかなと思っています。


鎌田:佐賀で少し変わった面白い写真館をやっているかっこいいおじさんがいるんですけど、佐賀のくせにって言われるのがめっちゃ得なんだよねって言ってたんです。

東京で少し変わったことしても目立たないけど、佐賀のくせに地方のくせにって言われるだけで面白がられて注目集まるから俺めっちゃ得してるって言ってましたよ。


布田:(笑)確かにそれめっちゃ得してる。そういう考え方あるかも。

そうやってどんな形であれ、かっこいいことを地方でやるメリットみたいなのを提示していけたらいいですね。


鎌田:それを言うと『EVERY DENIM(エブリデニム)』という岡山の工場の人たちと素敵なデニムをつくっている兄弟がいるんですよ。

やっぱり彼らも「どうやったら若い人が来るんだろうね」って考えていました。

そこで彼らが言ってたのは、工場を凄くかっこいい感じにしたら若者が集まるんじゃないかなって。

いけてる工房みたいなのを作ってそこでみんなで音楽でもかけながら生産したら楽しいよねって。

地方って高齢者が多いので、高齢者ばかりの職場に若者が一人で行っても価値観が合わなくて「やっぱ無理だ」ってなってやめていくんですよ。

なので、かっこいい場所作って若い人集めて、そこでわいわい楽しくおしゃれにやるみたいなのができると新しい楽しさが付加されると思うんですよね。

ファッションの学校をでて、大きいアパレル企業就職したものの、別に作りたいもの作れてない、なんとなく販売員やって営業になってプレスになってみたいな状況で、もっとやりがいのある仕事を求めている人たちも多いと聞くので、そうゆう人達こそ、地方のかっこいい工房に行って、職人さんから技術を受け継いで行けたらいいなと思うんですよね。


布田:それ面白いね。IT企業に就職したい人ってその心理が働いてるよね。オフィスすごいから。


鎌田:やっぱり良いところで働きたいですもんね。

オフィスがかっこいいから働きたいとか絶対あるじゃないですか。

周りにいる人も同じ美的センスを持って同じような興味がある人ばかりだと、仕事を続けるための重要な要因になりますよね。



 

キーワード2、「テクノロジー」をどう迎えるか



布田:テクノロジーの応用といってもいろんなパターンがあると思うんですけど、

エシカルに関して言うと、ARやVRなどで作っている人の顔が見える仕組みとかは、よりわかりやすく楽しくなるのではないかと思います。

あと、ITを活用して商社とかの中間業者を取り払って「工場直販」をやってるブランドもいくつかありますよね。しかもクオリティーも高い。

本来小売価格2万円だったものが中間業者を取っ払ったことで1万5千円にしても利益が十分に出る。

それってある意味エシカル的だと思うし、すごい可能性があるなと思っています。

あとは売り方。会話型のUIとかAIを使ってその人の趣向にあうもものをマッチングするとか。

最近は、ZOZOTOWNのスタートトゥディが発表したオリジナルブランドも気になってます。


鎌田: 色んなのありますよね。でも。私はあんまりピンとこないんですよね。面白いし、知っておきたいとは思うんですけど、もっと流行って欲しいかと言われると、うーんて感じです、、、


布田:それは何か理由があるんですか?僕は割と好きなんだけどなー


鎌田:もちろん最新のテクノロジーには普段から恩恵を受けていますけど、個人的に人間らしい感じの方が好きなんですよね。


布田:なるほどね(笑)


鎌田:人間らしさを補うためのテクノロジーは好きなんですけど、もうそれを超越しちゃう感じのテクノロジーはちょっと、、、

批判しているわけじゃなくて、なんとなく私は興味が湧かないかんじですかね。


布田:確かに。エシカルにおいては人間らしさは、バリューの一つでもありますからね。


鎌田:でも、布田さんけっこうファッションテックに期待してますよね。


布田:期待してるし、そうゆう話が好きだね。

本質は残した上でそれを活かす合理的なファッションテックは進むと思う。

僕は人間らしくないのも好きかもしれないです。





 

エシカルファッションこれからについて−



布田:例えば『コム・デ・ギャルソン』とかとエシカルとは関係ないようだけど、実はすごい繋がっているんだろうなと思っています。

そうしたハイブランドとも繋がっていくと面白いものができるし、エシカルファッションもまた新しいカルチャーになるかなって思いますね。


鎌田:たしかに、ギャルソンとかってある種エシカルなんじゃないですかね。

本当にファッションが好きで哲学のあるブランドさんは、それぞれ大事にするものが違うじゃないですか。

環境を気にする人もいるかもしれないし、とにかく着心地を重視するブランドもあるかもしれない。

それぞれ違っていいと思うんですけど、自分のブランドの思想を語ってくれるブランドじゃないと興味を失いますよね。


布田:すごく分かります。

朝着替える時に「今日これ着るぞ!」って思える服がいいですよね。

インヒールズもそうですけど、例えば地方発のファッションブランドみたいな、コンセプトがしっかりあって、着ている時の高揚感というか深いところの満足感を得られるブランドがエシカルに限らず増えるといいなと思います。

ファストファッションでもその洋服を着てその人が本当に幸せだったら良いと思うんです。実際にその人の幸せを実現するものなので。

でも本当は、思想がしっかりあるエシカル的なブランドが好きなのに、そういうブランドがある事を知らないだけで、なんとなくファストファッションを買っている人もいるだろうから、その人たちに「エシカルファッションというものがあるんだよ」と届けられる位までは、インヒールズを大きくしていきたいと思います。


鎌田:それ素敵ですね、そういう世界にしたいです。






 



FUKROOのアプリを
今すぐ無料でダウンロード!

Loading...

Loading...

Loading...