アプリをDL

【コラム】若者がファッション業界を目指さないのではなく、 目指す必要性がなくなった?

2016/11/11 10:20


近年、「若者がファッション業界を目指さなくなったのはなぜ?」というような話題や議論が飛び交っている。

特に注目の置かれている『Fashionsnap.com』での連載「なぜ若者がファッション業界を目指さなくなったのか」では、総合大学のファッションサークルの代表者たちの率直な思いや指摘などが、ファッション業界を目指さなくなった若者の現状をよくうかがえる。

 

ファッションに対する興味の低下


出典:http://twicolle.com/P248637/

 

ここ数年で突出した日本のブランドが出ていないので、あまりファッションというイメージがないのかなと思います。最近はリアルで目に見えるファッションが盛んな時期がないですよね。単純にファッションに触れる機会、リアルでの触れ合いが少なくなっているように感じます。それはメディアのおかげでもあり、せいでもある。メディアを通してファッションについて触れすぎてファッションがもう特別な存在じゃなくなったというか。メディアのせいでリアルでのファッションに触れる機会が減って、なんだかファッションの仕事ってよく分かんないって感じになっているんだと思います。出典 :【連載】「なぜ若者がファッション業界を目指さなくなったのか」 VOL 2:ADDmagazine代表 藤田海斗 http://www.fashionsnap.com


そもそもファッションそのものへの興味や関心が低下しているとの意見の声がよく記されていた。

コムデギャルソンやヨウジヤマモト、イッセイミヤケなどが世界に衝撃を与えた80年代以降、突出した日本のブランドは出ていないと今の若者は感じ取っている。

そんな中、ECサイトやSNSなどのメディアが生まれ消費者としての接点が増えたことで、ファッションは楽しむものとなり、ファッション業界で働く事に対する興味や憧れを感じる機会が減りファッション業界そのものへの興味の低下へともつながっているのかもしれない。

ファッション=趣味、ファッションとの近すぎる距離感


出典:https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/37767

最近、ファッションって色んな関わり方ができるようになったと思います。服好きだけではなくライフスタイルも含めてファッションというように、以前と比べてファッションが身近に感じられるようになりました。去年は一般企業にいった人が多く、ファッションを趣味で終わらせる人が増えています。出典 :【連載】「なぜ若者がファッション業界を目指さなくなったのか」VOL3:慶應義塾大学 「Keio Fashion Creator」代表 橋爪彩夏・篠崎莉奈 http://www.fashionsnap.com


ファッションを仕事としてではなく、趣味として楽しむ。

それが今の若者のファッションに対する現状である。

また、『BRUTUS STYLEBOOK 2016-17 A/W』のファッション批評家・平川武治さんのコラムには、「メディアによってファッション本来の『自由さ=創造性』が生み出す特異性が貧しくなって、あり得るべきはずの〝距離感〟がなくなり始めた」と記されていた。

ECサイトやSNSなどによるファッションとの身近さが、逆にファッション業界を目指すことへの興味を遠ざけているのかもしれない

 

ファッション業界から離れて、ファッションを視る


アパレル業界は視野に入らなそうです。ただ、何かを作れたらいいなと思っているので、その仕事に何らかの形でファッションを絡められたらいいですね。出典:【連載】「なぜ若者がファッション業界を目指さなくなったのか」VOL6:Uni-Share代表 干場清裕http://www.fashionsnap.com


まだ学生なので、はっきりとした卒業後のキャリアプランを考えるというのは、なかなか難しいことではあるが、ファッション業界を目指すという意見が少なかったことは驚きであった。

有名ファッションサークルの代表ともなれば、ファッション業界を目指す人が多いのだろうと勝手に思っていた。

しかし、大学で学んでいることに通ずる職業に就きたいという意見や、何らかの形でファッションとのコラボを計りたいなど、ファッション業界からは離れて、ファッションとの関わりを持ちたいみたいだ。

 

ファッション業界と学生を繋ぐプロジェクト

 

服飾科ではない普通の高校に通っているとファッション業界とはあまり接点がないので、どのようなキャリアを進んでいけるのかが分からないです。初めから熱心に希望する学生はいいですが、少し興味があるくらいの学生は、ファッション業界のキャリアプランについてのイメージが沸かず諦めてしまうことも多いと思います出典 :【連載】「なぜ若者がファッション業界を目指さなくなったのか」VOL4:東京大学「fab」代表 横山由佳・吉備悠理 http://www.fashionsnap.com


上記のように、ファッション好きが多くても、ファッション業界のことを知るものは少ない。ファッション業界の説明会など、働く人と話す場や聞く機会が少ないのも、ファッション業界への興味の低下の大きな要因である。

そこで近年、まだまだ認知度は低いが、盛んに活動しているファッション業界と学生とを繋ぐプロジェクトが増えている。東京が主な開催場所ではあるが、就職活動の一環として、一度参加する価値は充分にある。

そんなプロジェクトを最後に3つご紹介。

〝産業と学生を繋げる〟をコンセプトとしている『READY TO FASHION』
http://ready-to-fashion.com

『FASHION STUDIES』が開催している、ファッション業界で活躍されている若手の方に『仕事のこと』を語っていただく場 『fashion y 』
http://fashionstudies.org/fashion-y/

1日限りのファッション・カレッジを開校『WWD JAPAN FASHION COLLEGE』
http://fashion-hr.com/hr-talks/hr-talks_real/7056/


若者がファッション業界を目指さない理由には、給料の安さや福利厚生の薄さなどの要因があるからではないかという意見が多い。

しかし、それ以前に、今の若者のファッションの在り方というものに要点を置くべきではないだろうか。

ファッションと強く関わる若者が、ファッション業界を目指さないという意見が多かったことについては、やはりファッションへの在り方が変化してきているからだと思う。

ファッション業界に入らなくとも、ファッションを充分に楽しめる。

むしろ入らない方が、自由に楽しめる。また、ADDmagazineの藤田さんのようなファッションに関わる人が好きというような、ファッションを客観視することが好きといった、ファッションへの在り方、見方が少し広がっている気がする。

そんなファッションの在り方に変化をもたらしている今の若者に対して、ファッション業界はファッション業界にしか見ることのできない景色を、どのよう場でどのように語るべきなのか、これからもっと模索すべきところであり、注目視すべきところである。

Atsuko Kawasaki