【新進デザイナー#5】”女性らしさ”の新たな概念を提唱する、ロンドンの新星Molly Goddard(モリー・ゴダード)(後編)

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独自のコンセプトを武器に荒波のファッション業界に挑む、注目株のデザイナーのリアルな声をきいた連載企画【新進デザイナー】。
 
第五回目は、ロンドン一の期待の新星Molly Goddard(モリー・ゴダード)のデザイナー。
 
弱冠28歳の彼女は、ザ・ファッション・アワードの若手デザイナーの登竜門ブリティッシュ・エマージング・タレント部門に2度ノミネートされ昨年2度目に受賞を果たし、今年度のLVMHプライズのファイナリストにも選出された。
 
彼女が生み出す、ファンタジーを語る絵本から飛び出してきたかのような、チュールとタフタがミックスされた華美で退廃的なドレスの中には、力強くタフで大胆なアティチュードは共存する。
 
デザイナーのモリー・ゴダードに、ブランド立ち上げから現在に至るまでの経緯、自身のブランドについて詳しく訊いた。
 
 
前編はこちら

 

 
Q:あなたの服を語る上で欠かせないのは、“ノスタルジア”というキーワードではないでしょうか。歴史的な過去の衣服からインスパイアされることも多いと以前に語っていましたが、デザインに取り掛かる際何から手をつけるのですか?
 
頭の中に浮かんだなんとなくのイメージを明確化させていくために、図書館や美術館へ足を運びます。何もアイディアが出ない時や迷いが生じた時なんかも。
 
今年7月にイベントでランウェイショーを開催した、世界最大の装飾美術館ヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)には子どもの頃から学生時代も、よく行っていました。
 
お気に入りなのは美術図書館で、アートブックや評論集、歴史書を取りとめもなく眺めたりします。



Q:図書館で読むのはファッションの書物だけではないのですね?
 

そういう時に手に取るのはファッションに関連した書物でないことが多いですね。
 
例えば歴史書の中に出てくるヴィクトリア調のドレスであったり、建築の本で取材に答えている建築家の洋服であったり、着る物に着目してしまう節はあります。

けれど建築物、インテリアなど洋服だけではなくありとあらゆるものからインスピーレションをもらいます。







Q:美術館ではどのような作品がデザインに活かされるのですか?
 
心を惹かれるのは、ものすごく手が込んでいるのに実用的ではないもの。

美しい絵画やオブジェクトを見て、どんな時代を生きたどんな人が何を想い作ったのだろうと想像するのが好きです。
 
さまざまな視点を持ち、過去からインスピレーションを汲み取り、創造やアイディアをさらに膨らませていくことでコレクションのイメージがかたどられていきます。



Q:自分の中でコレクション全体のイメージができたら、次の段階はデザイン画に取り掛かるということですか?
 
イメージがある程度できたら面白そうな生地を探して、実験的に服を作っていきます。

デザイン画を描いて工場に送ってサンプルを委託するということはしないわ。



Q:これまで様々な生地を用いてドレスを制作されてきましたよね。この先新たに作ってみたい洋服はありますか?
 
もともとニットウェアがすごく好きなんです。
 
ただ制作してくれる工場を見つけるのが難しくて……。
 
イギリスにある優秀な工場で、楽しく一緒に取り組んでくれるところをまだまだ探すわ。



Q:ショー直前でもいつもリラックスした表情で本番を迎えている印象が強いのですが、それは”楽しく”一緒に取り組んでいるチームがいるからでしょうか?

身近な人たちに囲まれているおかげかもしれません。

ビジネスパートナーは、プライベートのパートナーでもある恋人です。

スタイリングを担当するのはスタイリストの妹、ショーの責任者は母で、グラフィックデザイナーである父がそれを会場のセット作りを手助けしてくれています。

スタジオで働いているクチュリエたちは衣装作りを勉強してきた人たち。 細かいところまで目が行き届き、洋服にしては完璧過ぎるほどしっかり作り上げてくれます。



Q:最後に、デザイナーとして今後の展望を教えてください。
 
これからも引き続き、ブランドMolly Goddardを通して、フェミニンやプリティといった“女性らしさ”の概念を覆していきたいですね。
 
加えて言うなら、今年のヴィクトリア&アルバート博物館でのイベントや、過去に行ったロンドンの現代芸術センター(ICA)やテート・モダン(Tate Modern)でのショーやプレゼンテーションのように、ファッションのアートとしての側面も見せられたらいいなと思っています。

ショーではインタラクティブな見せ方をしていきたい。
 
そのような要素も持ち合わせる反面、あくまで普段着に着用できる洋服として作り上げていきます。

 



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