ロンドンファッションウィーク中に知っておきたい12人の重要人物 前編

16londonplayers charlesjeffrey1 superjumbo


ロンドンの華やかなファッション業界で影響力をもつ重要人物のヒエラルキーは、刻一刻と変わりつつある。

ロンドンの最新ファッションシーンを揺るがすキーパーソンを彼らの職業、重要な理由と共に前半ではエディター部門とデザイナー部門を紹介する。
 


エディター部門


Edward Enninful(エドワード・エニンフル)



職業:British Vogue(ブリティッシュ・ヴォーグ)編集長。ビジネスシーンにおいて最も尊敬され、数多くのコネクションを持つスタイリストの一人。わずか18歳でi-D magazine (アイディーマガジン)の編集者のキャリアをスタート。今年4月、Alexandra Shulman(アレクサンドラ・シュルマン)に代わってBritish Vogue編集長に起用され、8月1日から公式に仕事をスタートさせた。


重要理由:Enninfulは1916年のBritish Vogue創刊以来初の、言葉を操るというよりは、イメージを造りだすタイプの編集者である。また全Vogue誌で初めての黒人編集者だ。ガーナ出身、お針子として働く母親と西ロンドンの労働者階級エリアで育つ。彼のバックグラウンドは、その他のBritish Vogue編集者達のとは大きく異なる。

彼の登場は、BBCによると「上流社会の女の子達の出国」を告知する。彼は、長い間発刊人欄に名前を連ねてきたLucinda Chambers(ルシンダ・チェンバース) や Emily Sheffield(エミリー・シェフィールド)といった典型的な業界人を迅速に離反させ、ファッション、アート両業界に群がる重要人物を入れ替えた。今現在、スーパーモデルのNaomi Campbell (ナオミ・キャンベル)やKate Moss(ケイト・モス)、オスカー受賞歴のある映画監督のSteve McQueen(スティーブ・マックイーン)にコスメ事業を展開するCharlotte Tilbury(シャーロット・ティルブリー)等がEnninfulの誌面作りに貢献し、多様性が最優先となっている。


Anne-Marie Curtis(アン・マリー・カーティス)



職業:British Elle(ブリティッシュ・エル)編集長。CurtisはEnninful同様、文章力に優れた編集者というよりはビジュアル担当出身である。スタイリスト、ファッション・ディレクターとして12年間Elleで働き、今年4月にLorraine Candy(ロレイン・キャンディ)がThe Sunday Times Style(サンデイ・タイムズ・スタイル)に移動したのを機に現職に就任した。


重要理由:急速に震い動くファッションメディアの環境変動にともない、今年は全てのイギリス大手ファッション誌が変化を遂げている。Curtis に課せられたプレッシャーは、Elleの再出発にデジタル提供の成功と相当なものである。Elleオーナー、Hearst UK(ハーストUK)はグループの40に及ぶ編集者からコマーシャル部門のリストラがあるかもしれないと警告。新代表取締役のJames Wildman(ジェームス・ワイルドマン)はコストを削減し、ビジネスの簡略化を試みる。


Laura Weir(ローラ・ウィアー)



職業:Evening Standard(イブニング・スタンダード)編集長。The Sunday Times(サンデイ・タイムズ)のWardrobe Mistress(ワードローブ・ミストレス)、British Vogueのファッションフィーチャー・エディターでキャリアをつみ、2015年7月からロンドンの新聞社の週刊ライフスタイルファッション誌の編集者となる。


重要理由:プレイフルなゴシップと社会的なトレンドを併せもつWeirの手がける誌面は、全ての人種、主義、幅広い年齢層の男女で埋めつくされ、正真正銘ロンドンの今を反映する。またWeirは雑誌を社会目的のために活用している。一例として、先日ロンドンで起こったthe Grenfell Tower (グレンフェル・タワー)の火災を特集した7月号では、幾つかのカバーを用意し、Ai Weiwei (アイ・ウェイウェイ)やAnish Kapoor(アニッシュ・カプーア)等有名アーティストによって手がけられた誌面のイメージをTシャツとして販売し、被害者救済のための資金にあてた。結果、かつてほとんど影響力のなかった雑誌が新しく息を吹き返し、ロンドンで働く人々にとって再び重要な雑誌となった。

 

デザイナー部門



Charles Jeffrey(チャールズ・ジェフェリー)



職業:デザイナー、過激なクリエイティブフォース。Jeffreyは2015年にCentral St. Martins(セントラル・セント・マーティンズ)を卒業後、Charles Jeffrey Loverboy(チャールズ・ジェフェリー・ラバーボーイ)を彼の仲間であるお針子、ダンサー、コリオグラファー等のアートスクール出身のクリエイティブ集団と共に立ち上げ、同名のカルトなナイトクラブを東ロンドンにオープンする。6月のLondon Fashion Week Men’s (ロンドンファッションウィーク メンズ)で彼の初となる他に類をみないショーを発表。


重要理由:Jeffreyはthe L.G.B.T.Q. (レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア)におけるロンドンニューウェイブのリーダーである。踊り子にピンクの段ボール箱のドラゴン、ゲイクチュールと目にも鮮やかで性別を超えたコレクションのおかげで、彼の口コミは瞬く間に広がった。Jeffreyはthe 2017 LVMH Young Designers Prize(ルイヴィトンモエヘネシー・ヤング・プライズ)の21人の候補者の一人であるが、彼の作る洋服の売り上げはあくまでも補足にすぎない。


Matty Bovan.(マティ・ボヴァン)



職業:ファッションデザイナー兼モデル。キラキラとまばらに輝くピンク色の髪をしたBovanは、Central St. Martins卒業時にthe 2015 LVMH Graduate Prize(ルイヴィトンモエヘネシー・グラジュエートエート・プライズ)を受賞。Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)、Marc Jacobs(マーク・ジェイコブス)、Miu Miu(ミュウ ミュウ)といった大手ブランドで働く。ニットのスペシャリストとして、若手デザイナー発掘を手助けするFashion East(ファッション・イースト)の主要メンバーである。


重要理由:Bovanの女性的なフォームへの探求ー特に美に対する先入的なアイデンティティとアイディアへの挑戦ーは新たに人目をひくようにみえる。3月、バービー人形で有名なMatte(マッテ)との間で2017年春のバービーとのコラボレーション契約を結び、この新たな試みはポップカルチャーでフェミニティがどのように描かれるか現実的な効能を及ぼす。


Louise Trotter(ルイーズ・トロッター)



職業:2009年からイギリスブランド、Joseph (ジョゼフ)クリエイティブ・ディレクター


重要理由:British Vogueエディター のSarah Harris(サラ・ハリス)やmatchesfashion.com(マッチズファッションドットコム)の創業者、Ruth Chapman(ルース・チャップマン)といったファッション業界人にますます好まれているTrotterは、Joseph (ジョゼフ)をロンドン版Céline(セリーヌ)へと築いている。Josephは 必要不可欠で洗練されたワードローブをCélineよりも手が届きやすい価格帯で提供し、商業的なインパクトを与えている。もしもがJosephがこの成長軌道を続けるとすれば、ロンドンを真のグローバルマーケットにおける優勝候補の競争者へと押し上げるだろう。



明日の後編では、クリエイティブ部門、インフルエンサー部門を紹介!!