世界のファッション業界を席巻する CEO達 ーvol 1ー

10 bernard arnault family

米経営学誌のハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)は10月16日、2016年度の「世界のCEOベスト100」(The Best-Performing CEOsin the world)を発表した。このランキングは、CEOに就任してから少なくとも2年が経過しており、逮捕歴や有罪宣告を受けた経験がない人物が対象である。

その中から、見事30位以内に輝いたファッション業界の凄腕CEOを上位から順番に紹介していこう。

2015年に引き続き第3位を獲得した、スペインのファッション巨人企業/Inditex(インディテックス)


スペインのアパレル大手『Inditex(インディテックス)』社は、1963年、Amancio Ortega(アマンシオ・オルテガ)が衣料品製造業として創業された。1975年に「ZARA(ザラ)」1号店をオープン。2016年現在、世界中で約7000店舗を運営し、従業員数は約15万人。「ZARA」以外にもヤング向けカジュアル「Bershka(ベルシュカ)」や、アッパーマーケット向けの「Massimo Dutti(マッシモ・ドゥッティ)」などを展開している。

このファッション巨人企業を飼いならすのは、『Pablo Isla(パブロ・イスラ)』である。

出典:https://www.drapersonline.com/people/15-pablo-isla-chairman-and-chief-executive-inditex/7002205.article

1964年スペイン(マドリッド)生まれの彼は、スペインで大手銀行で法律部門局長、全国遺産財務省ジェネルルマネージャーなどを経て、2011年オルテガの後任となる。2014年RFID(Radio Frequency Identification)プロジェクトを22カ国700以上のZARA店舗で稼働。RFIDとは、タグにエンコーディングを行うことで個々の商品に独自コードが割り当てられ、数量やモデル、サイズ、カラーにまつわる梱包ミスを避けながら、物流センターから店舗への商品発送処理を自動化できるシステムである。このシステムが店内の作業の時間を削減、改善して、従業員を軽減しつつも、ハイレベルなサービスの提供ができるのだ

2016年7月には、「スペインの8つのブランド(ZARA,Massimo Dutti, Bershka,Oyshoなど)の全ての小売店でのモバイルの支払いを今年9月までに使いこなす」と、会社の一般株主総会で公言。イスラによると、新しいサービスは、どの店でも購入できることを可能にするInWallet(財布の中に)と呼ばれる個々のブランドアプリケーションと、新しいグループのワイドアプリで入手可能である。

つまり、インディテックス社はとりあえず、どこからでも、どれでも、どのようにしても欲しいものが買えるように時代に合わせてデザインされていくのだ。

「次世代のテクノロジーを導入することは、我々のグループの店舗をどのように運営していくかに関して最も重要な挑戦のひとつです。」と語るイスラは、変化することを恐れず、時代に沿って、新しいものを常に取り入れている。

15年間、ドイツのスポーツ用品大手企業を守り続けた人物とは… / ADIDAS(アディダス)


1920年、ドイツのニュルン・ベルク近郊で兄ルドルフ・弟アドルフのダスラー兄弟が、靴製造の会社「ダスラー兄弟商会」を設立。しかし、1948年兄弟の意見対立により「ダスラー兄弟商会」を解消し、アドルフはアディダス社を設立。『ADIDAS(アディダス)』はアドルフの愛称「アディ」と「ダスラー」をつなげて名付けられた。1965年テニスシューズ「ハイレット」を発表。これが後の「スタン・スミス」となる。(なお、兄ルドルフはRUDA社を設立し、翌年、PUMA(プーマ)社となっている。)

そして現在『ADIDAS(アディダス)』を率いるのが、2001年CEOに就任し、歴代最長の在任期間を経て2016年世界のCEOで第4位に選ばれた『Herbert Hainer(ヘルベルト・ハイナー)』

出典:http://solecollector.com/news/2014/09/ever-wonder-exactly-how-much-the-ceos-of-the-top-sneaker-brands-are-making

1954年ドイツで生まれた彼は、1979年「P&G(プロダクター・アンド・ギャンブル)」に入社し、ドイツ国内のマーケティング・セールスマネージャーを務める。1987年にアディダスに転じてから、営業部長として欧州、アフリカ、中近東の営業を担当していた。

彼がCEOに就任してから、アディダス・グループは優れた進展を見せ、2012年ロンドン五輪の公式スポンサーに抜擢。しかし、2014年業績見通しを下方修正し、一部の株主からハイナーCEOの辞任を求める声が上がった。その後、経営陣の入れ替えやマーケティング強化を実施し、年間で株価の55%上昇を果たした。2016年現在、上半期の受注が増え、過去15年間で最高水準に達したそうだ。

出典:https://www.linkedin.com/pulse/adidas-group-publishes-2015-sustainability-report-yolanda-z-

2016年10月1日にソフトウェア会社のORACLE(ORACLE)やHEWLETT PACKARD(ヒューレッド・パッカード)で経験を積んだ「Kasper Rorsted=HENKEL AG&CO.(カスパー・ローステッド=ヘンケル)」がハイナーの後任として就任した。

「ファッション界の帝王」「ターミネーター」二つの顔を持つフランスの実業家 / LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)


第7位に選ばれた、『Benard Arnault(ベルナール・アルノー)』は、1949年フランス北部のルーベで生まれる。パリでグランゼコール(高等職業教育機関、社会発展に直接寄与する「高度専門職業人の養成学校」)のエコール・ポリテクニック(理工系)を1969年に卒業。

父の不動産会社Ferret-Savinelに入社、その後、会社名がFérinelに改称。1978年には事業を受け継ぐことになる。80年代前半、アメリカにFérinelを立ち上げ、クリスチャン・ディオールを当時保有していたマルセル・ブサック・グループを買収。次々とブランドを買収し、1990年、買収によって『LVMH』のCEOに就任。その冷徹かつ攻撃的な経営姿勢や買収を決断した企業・ブランドをことごとく手中に収めるさまから「ターミネーター」「フランス・ファッション界の帝王」などの異名がある。

出典:http://www.nydailynews.com/news/top-15-billionaires-world-gallery-1.1279166?pmSlide=1.1279155

『LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン』は、フランスを本拠地とする複合企業である。1987年にルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシー(シャンパン製造会社)の両社が合併して誕生した。

現在はフランスやイタリア、スペインなどのヨーロッパを中心に60近くの高級ブランド『LOEWE(ロエベ)』,『Celine(セリーヌ)』,『KENZO(ケンゾー)』,『FENDI(フェンディ)』『GIVENCHY(ジバンシィ)』,『MARC JACOBS(マーク・ジィコブス)』などを持つほか、免税店のDFSグループなどを傘下に収めているファッション業界で世界最大の大企業である。

出典:http://www.haconiwa-mag.com/magazine/2015/01/_vol1/

フランスで億万長者2番目に選ばれたアルノーは、「アートコレクター」としても有名である。2006年、アルノーの提唱により、文化に対して独自の世界観を展開していくようにと、ルイ・ヴィトン財団を建設。2014年パリにオープンした『フォンダシオン・ルイ・ヴィトン』は、アルノーの芸術への情熱により、「一般人と芸術家、知識人の垣根を越え、交流や対話を生み出し、現代の創作力を促すスペース」となった。

SALLY

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FUKROO 編集部

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